埼玉西武ライオンズといえば、代名詞になっている山賊打線が有名です。
山賊打線は10点取られても11点取り返すような強力打線ですが、裏を返せば投手陣が10失点しているということになります。
特に先発投手が早いイニングで、失点をしてしまうケースが多く見受けられます。
この先発投手陣の課題の1つに左腕不足があります。
2020年シーズンに先発した左投手は浜屋投手、内海投手、榎田投手、ノリン投手の4名だけで、あわせて20試合のみとなります。
西武には高橋投手、今井投手など安定している右投手がいるので、左投手がローテーションを1年間守ることができれば、チームに大きくプラスになります。
そこでこの2021年シーズンに先発左腕として期待されているのが、ダーモディ投手です。
●マシュー・フィリップ・ダーモディ選手情報
簡単にダーモディ投手のご紹介をします。
ダーモディ投手(マシュー・フィリップ・ダーモディ)は1990年7月4日生まれの2021年5月25日現在30歳。
アメリカ合衆国アイオワ州ノーウォーク出身。
身長196cm、体重102kgの左投げ右打ち。埼玉西武ライオンズでの背番号は98。
身長が190cmを超える長身サウスポーピッチャーです。
●プロ入りからメジャーまでの実績
ダーモディ投手のプロ入りからメジャーまでの実績をご紹介します。
<プロ入り前>
3度指名されているが、3回とも入団拒否。
2009年/MLBドラフト26巡目(全体776位)でピッツバーグ・パイレーツから指名。
2011年/MLBドラフト29巡目(全体888位)でコロラド・ロッキーズから指名。
2012年/MLBドラフト23巡目(全体723位)でアリゾナ・ダイヤモンドバックスから指名。
<プロ入りとブルージェイズ時代>
2013年/MLBドラフト28巡目(全体835位)でトロント・ブルージェイズから指名され、プロ入り。
契約後、傘下のルーキー級ガルフ・コーストリーグ・ブルージェイズでプロデビュー。
A-級バンクーバー・カナディアンズでもプレー。
(2球団合計:16試合登板(先発3試合)、5勝1敗、防御率1.66、51奪三振)
2014年/A級ランシング・ラグナッツでプレー。
(27試合登板(先発12試合)、4勝6敗、防御率4.69、65奪三振)
2015年/A+級ダニーデン・ブルージェイズでプレー。
(35試合登板(先発1試合)、4勝1敗1セーブ、防御率4.21、62奪三振)
2016年/A+級ダニーデン、AA級ニューハンプシャー・フィッシャーキャッツ、AAA級バッファロー・バイソンズでプレー。
(3球団合計:47試合登板、3勝1敗3セーブ、防御率1.82、47奪三振)
2016年/9月1日にメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入り。
9月3日のタンパベイ・レイズ戦でメジャーデビュー。
オフにはアリゾナ・フォールリーグに参加し、メサ・ソーラーソックスに所属。
(MLB:5試合登板、0勝0敗、防御率12.00、5奪三振)
2017年/
(MLB:23試合登板、2勝0敗、防御率4.43、15奪三振)
2018年/3月22日にサム・ガビグリオの加入に伴いDFAとなり、24日にマイナー契約でAAA級バッファローへ配属。
この年はMLBでの登板がなく、5月にはトミー・ジョン手術を受ける。
2019年/AAA級バッファローでプレー。オフの11月4日にFA。
(15試合登板、2勝1敗、防御率5.48、23奪三振)
<独立リーグ時代>
2020年/3月9日に独立リーグであるアトランティックリーグのシュガーランド・スキーターズと契約。
2020年/8月1日にシカゴ・カブスとマイナー契約。9月6日にメジャー契約を結びアクティブ・ロースター入り。
翌日の9月7日にビリー・ハミルトンの加入に伴ってDFAとなり、9日にマイナー契約。
9月28日にFAとなる。
2021年/1月21日に埼玉西武ライオンズと契約。
MLB通算:29試合、0先発、2勝0敗、0セーブ、26回1/3、防御率5.13
●西武では先発として起用
中継ぎ経験が豊富なダーモディ投手ですが、西武ライオンズでは左の先発投手として期待されています。
初登板は2021年5月3日(月)メットライフドームのオリックス戦で、先発投手としてマウンドにあがりました。
成績は5回0失点、5被安打、3与四球、3奪三振。
この日は宮城投手と同様に無失点投球を続けていましたが、球数が90球に達しそうになったため降板となりました。
2回目の登板は2021年5月11日(火)楽天生命パークでの楽天戦でした。
成績は5回、3失点、8被安打、1与四球、6奪三振。
1回、3回と連打を浴び3失点するも、打線が同点に追いつき、勝ち負けつかず。
3回目の登板は2021年5月18日(火)メットライフドームでのソフトバンク戦でした。
成績は6回、4失点、4被安打、2与四球、1奪三振。
1回の2ランホームランと、5回の連打で4失点し、負け投手となってしまいました。
●投球スタイル
ツーシーム(シンカー)と制球が武器の長身左腕です。
ダーモディ投手はフォーシームと、ツーシーム(シンカー)、スライダー、カーブ、チェンジアップを投げます。
2017年における球種別の投球割合は、41.9%がスライダー、38.7%がツーシーム(シンカー)、フォーシームが17.9%、チェンジアップが0.9%、カーブが0.6%でした。
投球割合をみるとスライダーとツーシーム(シンカー)の合計が約80%で、この2球種が中心の組み立てとなりそうです。
●これから期待すること
2020年シーズンにおける埼玉西武ライオンズの防御率は、4.28でパリーグ中最下位(1位はソフトバンクの2.92)でした。
防御率が高くなっている原因は、先発陣が試合を作れなかったケースが多かったことにあると思います。
中継ぎ陣は、平良投手、森脇投手、ギャレット投手、増田投手など強力な投手がいるので、ダーモディ投手には先発投手として、6回まで投げて試合を作ることが期待されます。
また昨年先発した左投手4人のうち、ノリン投手は退団、内海投手と榎田投手は1軍登板なしと、先発左腕不足です。
2021年5月26日現在、今井投手が2勝で防御率2.62、高橋投手5勝で2.45と安定した右腕がいるので、左腕としてローテを守ることで、チーム上位浮上のきっかけになると思います。
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