2020年、コロナ禍の横浜DeNAベイスターズにおいて彗星の如く助っ人が現れました。
その名はタイラー・オースティン。
前年まで在籍した筒香嘉智選手の代わりとして入団した彼に対してのファンの評価は、当初疑心暗鬼そのものでした。
しかしながらシーズンを終えてみれば、出場試合65のうちで打率.286、OPS.969、本塁打20と、是が非でも来年も在籍してほしい選手の一人となっていました。
私自身、2020年は球場へ足を運べずもっぱらテレビでの観戦となっておりましたが、その中で2021年もチームの主軸として活躍が期待されるオースティン選手の凄さを、独自の素人目線で紹介していきたいと思います。
助っ人外国人選手では珍しいガッツあふれるプレー
かつて助っ人外国人のよくある特徴として

打つのは凄いが守るのはちょっと・・・でもしょうがないか・・・
といった認識が、どの球団のファンの間でもあったと思います。
現にそのような外国人選手は多く、2018年~19年にホームラン王を獲得した我らがネフタリ・ソト選手に対しての見方も例外ではないと言えるでしょう。
しかしながらオースティン選手は、フェンスに激突することを恐れず捕球にチャレンジする、ダイビングキャッチでファインプレーを試みるなど、たとえ失敗してもファンの記憶に刻まれるハッスルプレーで魅了してくれます。
そんな選手がチャンスでホームランやフェンス直撃ツーベースを打ってくれようものなら、画面越しながらも彼に対しての視線はますます熱くなるばかりです。
チャンスにも強く弧を描いたホームランが美しい
2019年まで所属したキャプテン筒香選手にも共通した部分が見受けられますが、チャンスに強いクリーンナップがいるのといないとでは、試合が動きやすい中盤以降の見え方が大きく変わってきます。
先発から中継ぎ投手へチェンジし、継投リレーを図っていく上で四球や単打→送りバントや進塁打、あるいは盗塁で得点圏に移った際のクリーンナップの働きはとても重要に思えます。
佐野選手や宮崎選手などベイスターズには勝負強い選手がいるのも事実ですが、オースティン選手は得点圏打率.339と非常に高く、特に土曜日は.429とお茶の間を夢中にさせる数字を叩き出しております。
また、応援歌もかつてベイスターズで活躍したスレッジ選手の流用でもあり、まさにあの暗黒期を耐え抜いた古参ファンの方々の心も震わせる、そんな空間を演出してくれます。
オースティン選手は前述のハッスルプレーによる怪我の影響などで65試合の出場に留まっておりましたが、その中でホームラン20本という驚異的なペースで量産してきました。
そのほとんどはライナー性ではなく、文字通り弧を描いたこれぞホームランという当たりが多く、右中左全方向に打ち分ける高い技術も持ち合わせておりました。
この姿は、同じように打ち分けていた2016年頃の隆盛を誇っていた筒香選手を彷彿とさせる存在となっており、もしオースティン選手が100試合以上出場していたら・・・とタラレバをつまみにすることを望んでいる吞兵衛野球ファンには堪らない存在となっているのです。
ちなみに私は今年一度球場へ足を運び、オースティン選手のホームランを生で見ることができました。
例年より人数が少なく、歓声も上げられない中で彼が大きな放物線を描いた時、ウオーっと叫びたいけど叫べない、もどかしい――!という声が周りから幾つか聞こえたことを大きな喜びとして記憶しております。
近年、ベイスターズは外国人補強であまりハズレを引くケースが少なくなったとファンは感じています。
DeNAになってから獲得戦略に注力し、98年のメンバーの一人でもあった進藤氏を編成部長とした努力の積み重ねが、オースティン選手という魅力ある選手に出会わせてくれたとファンはとても感謝しています。
2021年5月現在、オースティン選手は怪我無く勝負強い打撃とガッツあふれるプレーを私たちに見せてくれています。
この活躍を秋まで続け、1年でも長く23の背番号を追い続けたいと強く願っております。
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