東京ヤクルトスワローズ

ヤクルト再生工場の今

故・野村克也監督時代、スワローズを象徴する言葉として ID野球が有名です。

さらにスワローズは他球団を戦力外・自由契約になった選手や、他球団で燻っていてトレードで移籍した選手がこれまで以上に活躍する「野村再生工場」という言葉も当時のスワローズを形容するもう1つの言葉でした。

この再生工場ですが、 現在もスワローズを語る上で無視できない言葉になっています。それを象徴する選手を今回は紹介したいと思います。

【坂口智隆選手】

まずは オリックス・バファローズから移籍してきた坂口智隆選手。

バファローズ時代はシーズン最多安打や中堅手でゴールデングラブ賞を複数回獲得するなど、中心選手でした。

しかし2012年から怪我に悩まされるシーズンが続いてしまいます。

そんな 中2015年に球団から提示された契約条件にサインせず自ら自由契約を選び、スワローズが獲得しました。

2016年・2017年は怪我人が続出し、チームが低迷する中、坂口選手は主に1番・センターで出場し、打率.290、.295、出塁率. 375、364と孤軍奮闘、全盛期を彷彿とさせる活躍をしました。

2018年からは青木宣親選手がスワローズに復帰・外野手争いが激化する中、坂口選手は自身プロ野球では初めての一塁手に挑戦しますが、そんな慣れない守備でリズムを崩すことなく、なんとキャリアハイの成績(打率. 317 出塁率.406)を残しました。

特に坂口選手、青木選手、山田選手の上位打線は強力で、全員が出塁率4割以上残すなど前年最下位から2位に飛躍する要因になりました。

昨年は開幕3戦目で左手に死球を受けてしまい、その時の骨折が響いて2軍生活が続き、思うような結果が残せませんでした。

この年のスワローズの低迷は坂口選手が離脱し、1番打者を固定できなかったことによるところもあると私は思っています。

今年は調子が良さそうなので、まだまだ坂口選手の活躍に期待したいところです。

【近藤一樹投手】

近藤投手も現代のスワローズ再生工場を象徴する投手の1人と言えます。

2008年に10勝を上げ、バファローズの先発陣の 一角を担うなど活躍し、翌年も9勝しますが、2012年に右肩の違和感や右肘の手術を受けることで徐々に登板機会が失われてしまいます。

2014年には育成選手として契約するなど、苦労人であることが伺えます。

2016年シーズン途中にトレードでスワローズに入団し、翌年から本格的にスワローズのプルペン陣を支えます。

近藤投手といえば、やはり投げっぷりの良さ、 キレの良いストレート・スライダー。

あまりに投げっぷりが良すぎて、怪我が再発しないかファンとしてはちょっと心配ですが、バッターから空振りを取った時の瞬間は見ていて思わず力が入ってしまいます。

2018年は 74試合に登板、42HPを記録し最優秀中継投手を受賞します。

これまでタイトルに届かなかった近藤投手が移籍して初めて獲得したタイトルということで、ファンとしてこんな嬉しいことはありません。

見ていて気持ちの入る近藤投手にはまだまだマウンド上で躍動していただきたいものです。

【大松尚逸選手】

昨年引退してしまいましたが大松尚逸選手も一瞬かもしれませんがファンにとってはスワローズで輝いてくれた選手の1人です。

マリーンズ時代は和製大砲として活躍しますが、アキレス腱を怪我するなど選手生命の危機を乗り越え、2016年にスワローズにテスト入団しました。

今でもファンの心に残っているのは、低迷した2017年シーズン、10点差をつけられたドラゴンズ戦で、試合終盤に同点に追いつき、延長10回裏に大松選手の一振りで劇的・奇跡的な勝利をした試合でしょう。

大型連敗を繰り返すなど、ファンにとっては辛いシーズンでしたが、この試合が救いになりました。2020年からはスワローズの2軍の打撃コーチに就任していますので、ぜひ大松選手のような勝負強い打者を育ててほしいです。

今回紹介した選手以外にも、スワローズで輝いてくれる選手は他にたくさんいます。今年もそんな選手が色々出てきてくれることを期待したいです。