緒方孝市前監督の下、球団史上初の3連覇を成し遂げることはできたものの日本一を掴むことはできず、昨シーズンは巨人へ移籍した丸佳浩外野手の穴を埋めきれないままCS進出すら果たせないという不本意な結果に終わった広島東洋カープは、緒方前監督が鍛え上げた戦力を生かし、日本一を掴むことができるのでしょうか。
今回はそんな広島東洋カープの今シーズンの活躍を託された佐々岡真司新監督の現役時代を振り返ってみようと思います。
1.佐々岡新監督の現役時代の活躍ぶり
島根県出身の佐々岡新監督は、小学3年生から野球を始め、地元の浜田商業で投手として活躍しましたが、最高成績は夏予選ベスト4で甲子園に出場することはできませんでした。
その後、NTT中国を経て1990年、広島東洋カープにドラフト1位で入団し、1年目から2桁勝利、2桁セーブを挙げ、2桁勝利に関しては3年連続で挙げる活躍を見せました。
なお、2年目には17勝を挙げ、最多勝利、最優秀防御率、沢村賞、MVP、ベストナインを獲得しています。
その後は先発と中継ぎを兼任していましたが、1996年からは抑えに専念して、チームの守護神として活躍しました。
また、1999年は先発として15勝を挙げ、この年にノーヒットノーランも達成しています。
それ以降も安定した活躍を見せましたが、2007年に引退し、18年間のNPB生活に幕を閉じました。
また、通算成績は829登板(2344と3/1イニング)138勝153敗106セーブ、防御率3.58で、100勝100セーブは佐々岡新監督を含めて2人しか達成していない(もう1人は江夏豊氏)大記録です。
なお、18年の間に移籍はなく、カープ一筋で戦い抜いた投手でした。
2.佐々岡新監督の選手としての特徴は?

偉大な結果を残した佐々岡新監督がプロ入り前から武器としたのは最速150km/hを超える力のあるストレートと、切れ味鋭いスライダーでしたが、プロでの経験を積む中で右打者の内角に食い込むシュートやストレートを引き立たせるカーブも習得し、打者を翻弄しました。
プロに入ってから得た球種でさらなる飛躍を遂げた佐々岡新監督はその経験を生かし、2014年からカープの二軍投手コーチとして、さらに昨年は一軍投手コーチとして現在のチームを支える数々の投手を育成しました。
選手としては素晴らしかったのに、指導者としては今ひとつ、という指導者もいる中で、佐々岡新監督は選手としても指導者としても素晴らしい能力を持っており、この能力を監督というチームの命運を左右する役割においても存分に発揮してくれるのではないでしょうか。
3.伝説の引退試合
佐々岡新監督の現役生活を締めくくった引退試合では、野球ファンの間で語り継がれていくであろう有名なエピソードが生まれました。
本来、引退試合では引退する選手に花を持たせるため凡退するという暗黙の了解があるのですが、当時横浜ベイスターズの主砲であった村田修一選手は10-0でカープがリードする中、その暗黙の了解を打ち破る強烈な打球をスタンドへ放り込んでしまったのです。
村田選手自身も驚き、カープファンからはヤジが飛ぶ事態になってしまいましたが、試合後佐々岡新監督は「吹っ切れたし、悔いはない」と笑顔で感謝しており、結果的に現役への未来を断ち切る価値のある一打となりました。
4.まとめ
•佐々岡新監督は通算100勝100セーブを達成した名投手。
•力のあるストレートにスライダー、シュート、カーブを織り交ぜた投球で打者を翻弄していた。
•引退試合でホームランを打たれた後、打った選手に「吹っ切れたし、悔いはない」と笑顔で感謝した。
現役時代は投手として華麗なる活躍を見せた佐々岡新監督が、監督として華麗なる活躍を見せ、カープを日本一に導いてくれることを期待しましょう!